ブタと少女の絆と資本主義「Okja/オクジャ」
あらすじ
共に成長してきた心優しい巨大生物と一人の少女。
韓国の山間の家で暮らす少女ミジャは、大きな動物オクジャの面倒を見ながら平穏な毎日を送っている。
ところがある日、多国籍企業ミランド社がオクジャをニューヨークに連れ去ってしまう。
田舎で平和に暮らしていた彼らが、現代社会の科学倫理と動物愛護主義、企業欲の醜い争いの渦に巻き込まれていく。
作品概要
韓国の鬼才ポン・ジュノ監督と、ブラッド・ピットの映画製作会社プランBがタッグを組んだ、Netflixオリジナル映画。
第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、最優秀賞であるパルムドールを争いました。
主人公の少女、ミジャは韓国人なので韓国語を話すのですが、他の登場人物がほとんどアメリカ人で、作中では英語の方が圧倒的に多く話されています。
タイトルのオクジャというのは、遺伝子組み換えで突然変異させた新種のブタで、画像からも分かるとおり、デカいです。
そしてその肉がめちゃくちゃ美味しいらしく、なんとしてでも企業はオクジャを捕まえたい。
ミジャはオクジャと暮らしたい。
そこに動物愛護団体も入ってきて……、というお話で、一見、ブタと少女の間に芽生えた愛情の物語っぽいのですが、随所で現代の資本主義社会批判が盛り込まれており、一筋縄ではいかないのがこの映画です。
パルムドールこそ逃しましたが、ただ感動して楽しめるだけでなく、考えさせられる作品となっています。
そしてこのオクジャは、当然フルCGなのですが、全く違和感なくそこに存在していてリアルそのものです。
また、「ナルニア国物語」「ドクター・ストレンジ」などで奇妙な役どころを演じた大女優、ティルダ・スウィントンが出演しており、彼女の"変なキャラ"の演技も見どころです。
原題「okja」